2014年11月28日金曜日

深夜の羽田とパリ早朝

パリに戻るフライトは夜中の零時半羽田発。2時間以上前に着いたのでのんびり初めての空港見物。というのもチェックインカウンターの上の方に巨大な木の橋が見えたから。旅立ちの日本橋」とのこと。でもこの空港にこつ然と江戸時代を作るケッタイさはどちらかというと私のような(?)外国人に受けると思うけど。(そう言いながら私は、時々しか帰国しないからこういう「サービス感覚?」も楽しめるが、住んでいたらうんざりするだろうなーと思う)
その向こうには、おそらくクリスマス用だと思われるLEDで白、青に光る並木道が。
昔は「パリジャンが心優しき日本人だったならどんなに住みやすいか」と思わないでもなかったが、そうしたらパリはとんでもないディズニーランドになってしまったことだろう。

そして乗った深夜便飛行機はパリに予定よりずっと早く、朝4時40分着!!! 
以前この便で早朝に着いたとき、空港(税関)が込んでいてびっくりした覚えがある2011/11/15。しかし今回は「早過ぎ」のお陰かスイスイと。名古屋の某ビルには「トイレでの着替えはお止めください」と書いてあった(そしてトイレの入り口で女の子が写真を撮っていて驚いた)が、その日本の女子学生に習って私は寒さを警戒して着替え。股引(死語かしら:今は何と呼ぶのだったか?)をはき用意万端。でも荷物がなかなか出てこなくて、、、(おそらくこんな時間だから人手が少ないのだろう。だから文句は申しませんが)結局空港を出るには1時間以上かかった。

いつもなら空港駅から郊外列車RERに乗ると日本とのギャップにおびえてしまうのだが、今日は少し違っていた。勿論薄汚い列車には、扉を屈んでしか出られないような背の高い、フード付きのジャージを着たこわそうなお兄さん達たちも途中の駅で乗り込んできたが、出発のブザーが鳴っても走り込む人たちが絶たず、列車がなかなか出ない。プラットホームに何人もの係員がいて「右よし左よし」てなことをやっている日本と違って鷹揚なものだ。私は断然この方が好きなのだ。それを見ながら正面に座った人と話したり、、、仕事前だと言うのになんか雰囲気がなごんでいる。乗ってくる人の多くが庶民層だからかとも思うが、こんな朝っぱらから起きてパリに行くというのは強面のお兄さん達を含め、皆ちゃんと仕事があるからで、今のフランスでは「安定層」なのかもしれないとか思いつつ我が13区に戻って来たところ、大通りのビジネス街にも彼ら数人が飲み込まれて行った。彼らは昼間出くわすビジネスマンとはほど遠い、所謂ブルーカラー(これも死語か?)。多分今からオフィスの掃除とか警備とかにあたるではないか?  昔サルコジが「早起きのフランス人の為の政治をする」と言ったが、初めて意見があった? いえいえ、私の抱いた早朝の通勤者への好感とは異なり、彼には同じ社会に暮らす人間を分断しようとの狙いがあったのでした(早朝通勤者もいとも簡単に失業者になりうるのに)。

そんなことを考えつつ7時前には家に到着。今日は長そうだ。
以上眠くても昼間から寝る訳にはいかない私の徒然ブログでした。


2014年11月25日火曜日

'14 秋 温泉紀行

Note aux lecteurs : Les vraies destinations de mon voyage étaient des Onsens (spa japonais). Comme il est interdit de photographier à l'intérieur des bain thermals, je me sers des photos qui se trouvent sur l'internet.

前回はフランスのお友達用に紅葉の写真を満載したが、私の東北旅行の本当の目的は温泉。温泉内は撮影禁止ですので今回の掲載写真はウェブから。かつ内容も公開はしますが私の備忘録ですので悪しからず。

先ずは田沢湖からバスで40分ほどの、乳白色の露天風呂の写真が有名で、秘湯の趣で人気がNo.1の乳頭温泉の「鶴の湯」。当然早くから予約しないと泊まれないので日帰り入浴。出迎えバスで時代劇のような黒い門の前に着く。それに続く家屋も風情はあるがやっぱり映画のセットのような違和感が私にはあるのは何故だろう(外観が。屋内は昔ながらの風情でよい)。肝心の露天風呂はやはりお湯の色がきれいで気持ちがよい。写真は何処でも大きく見せるのか、思っていたより小さかった。紅葉の時季には周りの木が色付きとてもきれいだそうだが、11月初旬では葉はもうとっくに散っていた。日本ばかりか海外にも有名らしく韓国からのグループがはいっていた。

その次は秋田を経て、五能線に乗り海岸に露天風呂のある「黄金崎不老ふ死温泉」へ。JRのウエスパ椿山という駅前はヨーロッパ風の(おそらくオランダを真似た)ええっと驚くようなキッチュな建物の並ぶ広場で、「不老ふ死温泉」で宿をとったことにほっとする。宿自体は団体も収容する宴会ホールもある大きな近代的ビルだが、目的は海岸の風呂だから、、、風呂は鉄分が多くさびのような匂いが強いが、そのお陰で黄金色。日本海の寄せては砕ける波を見るのは飽きがこずかなり長湯をした(他にすることないし、、、)。

右下の写真は朝私が撮ったもの。ひょうたん型の風呂は写真の掘建て小屋のようなゴザの仕切りの向こうにある。私の行った日は少し波も荒く豪快でした。

翌日は交易船「北前船」の「風待ち湊」として江戸中期から明治中期にかけて栄えた深浦で途中下車し、円覚寺の70点におよぶ「船絵馬」を見に行く。「船絵馬」以外に先々代住職(義観僧正)がサンスクリットの般若経で書いた絵、あるいは髪の毛で刺繍した絵(技法的には女性現代アーティストが得意とする分野ではないか!)という特殊なものがあって驚き。なかなか面白い陳列館だ。シーズンオフにこんなものを見に来る物好きは私だけで、一人の為に開いてくれたのはいいが、ガイドの若い坊さん、録音テープの様に無感情で、密教の坊主のくせに寒がりみたいで早く終えようとそわそわしていた。特に彼に従い順番に移動しなければならない(勝手に好きなものが見れない)のには閉口した。

その後五能線五所川原で降り津軽鉄道で太宰治の記念館(生家=大地主の父の立派な家)のある金木 。夜は昨年桜見に行った時に見つけた手の込んだ郷土料理が食べられる居酒屋「弥三郎」にまた行きたいと弘前泊まり。マダムの言っていたように紅葉も(桜ほどではないがそれなりに=個人的意見)きれいだった。(前回の写真参考)

最後は姪の案内で三沢の古枚(こまき)温泉。ここは現代的ホテル、イベント会場もある巨大リゾートで、庭園の池に浮くというデザインの露天風呂がある。池には鯉が泳ぎ、紅葉がはらりと風呂に落ちてきたり、上手く演出されている。

その後「鳥獣戯画」展を見ようと京都博物館へ行ったが満員で即あきらめ、京阪電車の七条駅がすぐ近くなので急に目的地変更して鞍馬山に行き(出町柳経由叡山電鉄)、そこでもまた露天風呂くらま温泉。小さな湯槽だが右下写真のごとく正面の北山杉がきれいだった 。

今回は結局風光明媚を優先させた温泉ツアーだったが、結局は「昨年春の、玉川温泉、八甲田の酸ヶ湯、恐山の硫黄モクモクの温泉の方がパリに住む私にはオーソドックスな異国情緒があって満足感がずっと高かった」というのが結論です。2013年5月20−21日参考)


2014年11月21日金曜日

L'automne du Japon

Photo carte postale de mon voyage entre les 5 et 11 novembre
5〜11日の旅行で撮った絵葉書写真:たまには仏人用にこういうのもあり?


田沢湖 Lac Tazawa


秋田(千秋公園) Akita

秋田(千秋公園) Akita

弘前公園 Hirosaki

弘前公園 Hirosaki

弘前公園 Hirosaki

弘前公園 Hirosaki

弘前公園 Hirosaki

弘前公園 Hirosaki

弘前(藤田記念庭園) Hirosaki

鞍馬 Kurama (Kyoto)
貴船 Kibuné (nord de Kyoto)


貴船 Kibuné (nord de Kyoto)

貴船 Kibuné (nord de Kyoto)

2014年11月20日木曜日

名古屋発ギリ…

日本では最初東北の温泉巡りをしたが、今は愛知の実家の諸問題で日が暮れる。昭和40年代の古い木造建築、例えば木製の雨戸、分解してベニヤ板の差し替える構造になっているのは私でもわかるのだが、それをしてくれる職人さんはもういない。そして当座の修復を頼むのすらも思いのほかに大変。リニューアルしかできない世の中になっている! だから私が自ら、、、と言っても私ができるのは怪我に絆創膏を張るようなの繕いの類いにしかすぎない。しかし家も庭も放っておくともっと大変になる。
まあ「ひょっとすると母より家の方が先に崩れかねない」という危惧は喜ぶべきことなのだろう。
東北の「叫び」?

ところで私の展覧会をしてもらっている名古屋のLギャラリー、顔を見せようと思っていた矢先にメールで「年始に個展をして欲しい」という唐突な依頼が舞い込んだ。私が実家にいるのを知って「来なさい」という催促かと思ったが、そういうことではなく「本気」、かつ単なるスケジュールの穴埋めかと思いきや、「年の初めの個展は業界では画廊イチオシの作家をするという習いがある」等々とおだてられ、引き受けることにした。詳細は未定ですが2月ですので皆さん応援して下さいね
「急でも作品が揃っている作家さんはなかなかいないですよ」とか言われると褒められた気もするが、これは単純に在庫がいっぱいあるという過酷な真実の裏返しに過ぎないのだが、、、。でも「海水ドローイング」の新作が並びますからね、乞うご期待。

2014年11月2日日曜日

ルイ・ヴィトン財団 追加写真

やっぱり前のルイ・ヴィトン財団の紹介記事は訪問者の数が圧倒的に多いので、サービスで写真追加(実は書いているのは12月だが同日付けにします)。おそらく日本の美術雑誌などでも近く特集が組まれるでしょうが、そこにはアルノー氏の税金逃れのスキャンダルなどは言及されないでしょうから多少私のブログも存在価値がある?(笑)。
人にきかれましたが、コレクションは、そうですねー、まあ特に際立った特徴はない「フツウ」の現代アートです。特筆するとすればゲルハルト・リヒター日本語ウィキの絵が初期から現代まで網羅的に沢山あること。とにかく建築です。

Comme il y a plus de visiteurs que d’habitude à l’article précédent sur la Fondation LVHM, j’ajoute quelques photos ici. Je suis sûr que certains magazines japonais touristico-artiques sortiront leur numéro spécial sur la fondation bientôt, mais aucune d'eux ne mentionnera la tentation de l’évasion fiscale de Monsieur Arnault. Donc mon blog a raison d’exister... 
(Malgré tout j'adore ce bâtiment de Frank Gehry.)

これが前回言及した「滝」
天気がいいとテラスが気持ち良い




迷い込んだ非常口はこんなだった
ここでしつこくオラファー・エリアソンを。2012年のカッセルのドキュメンタで幾何学的構造物を構想中の彼の若いチームの様子を撮ったビデオを見たが、まるでラボかデザイン事務所ようだったのが印象的だった。




これは隣の遊園地。写真ではわからないけどこの後に財団が見えます

フランスの新名所 ルイ・ヴィトン財団

先週水曜、新しくパリの東、ブーローニュの森の入り口にできたルイ・ヴィトン財団に行った。建築はスペイン、ビルバオのグッゲンハイム美術館が特に有名なフランク・ゲーリー(Frank Gehry)日本語ウィキ、メディアで「鳴り物入り」で先週オープンした。この偉大なる芸術庇護者、ヴィトングループ代表の仏最富豪のアルノー氏(Bernard Arnault)は、税金逃れにベルギー国籍を取ろうとして物議を醸した人物(本当にロシア国民となった俳優のドュパルデュ日本語ウィキに対しA氏は取りやめたが、、、)、「大手メディアを牛耳っての『拍手喝采』は眉唾ものでは」と勘ぐって行ったのだが、確かにこのビルは感動的で、珍しく写真を百枚近くも撮ってしまった。構造はあくまでも複雑、テラスを歩くと建物の斜めのカーブに切られたパリの風景が現れては消える。ビルバオには行ったことがないので何とも言えないが、こちらのほうがゲーリーの代表作となるかもしれない。

ブーローニュの森とデファンスの高層ビルを眺める
あくまでも複雑に


キューブの連結のような構想もあった、、、
今はこの建物の建築にあたって作られた数々の構想モデルなどが陳列されている(上写真)。それからもうこれは建物に比べ副次的となってしまうぐらいだが、アルノー氏のコレクションも展示。私は現代アートはわからないのでノーコメントということに。

ともかくテラスの周遊がメインですから、訪れるなら天気のよいときに。横には jardin d’acclimatationというナポレオン3世の時代にできた(1860年創設)の遊園地があって楽しいですよ。財団、公園、両者の格差もオカシイ。
でもお金持ち相手のヴィトンらしく入場料は割高らしいので気をつけて ☹

下の黄色い写真は、オラファー・エリアソン(Olafur Eliasson)日本語ウィキの鏡とライト、水面を使った美しいスペース。この地下空間の奥には階段状の巨大な大きな滝(?)もある。
今まで私がブログでコメントしたアーティストでは2年前の「白夜」で紹介した不思議なボイスパーフォーマンスを作るOliver Beerが一室で11/24日まで行われている (実は水曜日は午後からアトリエに来る人が幾人かいて、列を作って待つ余裕がなかったのでこれは聞いていない)。


最後は遠くにパリの名物エッフェル塔を眺める写真で

PS:次の記事に写真追加しました


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